生肉による食中毒について
掲載日 2011年05月18日

焼肉チェーンの「ユッケ」を食べた人が食中毒を起こし死亡者が出たニュースは、生肉食に警鐘を鳴らす出来事でした。弊社月刊誌「暮しと健康」では、昨年の6月号で生肉による食中毒の危険性を記事にしていましたのでその一部を紹介します。

- 畑江敬子(和洋女子大学教授)
- 内閣府食品安全委員会委員で、生肉を手軽に食べる風潮に警鐘を鳴らし、安全な調理法や食べ方を提唱する専門家の一人。特に食品の加熱の度合いによって食中毒の原因となる微生物がどうなるのか、詳細な実験結果データを発表しています。
日本人は、昔から魚介を刺し身で食べる習慣があるため、「新鮮な生ものはおいしい」と思いがちです。しかし、実は肉はそうではありません。
特に牛肉は、屠畜後には死後硬直が起こって硬くなり、とても生では食べられません。死後硬直の後、ある程度の時間がたつと柔らかくなり、食べられる柔らかさになるのです。「当店の肉は新鮮ですから生でも食べられます」などとPRしているお店は注意したほうがよいかもしれません(魚だって、うまみ成分の量からみると釣り上げた直後より数時間後の方が良いことがあります)。
ある程度時間がたつと、かたまり肉の表面には、細菌やウイルスがつきます。ただ、こうした微生物は、肉の内部にまで侵入することはありません。ですから、かたまり肉をスライスしたステーキは、表面を加熱しただけのレアでも大丈夫なのです。
問題は、ハンバーグなどのひき肉料理です。肉をミンチにする過程で、表面の微生物は中のほうまで混ざり、全体に広がります。ひき肉料理は、しっかりと中まで火を通して食べましょう。
自宅でハンバーグを焼く場合は、竹串などでつついてみて、生の赤い部分が残ってないかどうかチェックするとよいでしょう。
生の鶏肉を食べる機会は家庭よりも飲食店のほうが多いので、鶏肉によるカンピロバクター食中毒は飲食店で多く発生しています。鶏肉は新鮮でもカンピロバクターに汚染されていることがありますから加熱して食べましょう。
肉を家庭で調理する場合、最近は電子レンジを使用することが多いものですが、実はここにも盲点があります。例えば、鶏のもも肉のかたまりを電子レンジで加熱する場合、たいていは肉に塩をふってから電子レンジに入れます。しかし、塩のかかった部分は表面の温度は速く上がりますが、中心部の温度上昇が遅れ、熱が通りにくいことがわかりました。
電子レンジを使用する場合は、蓋のある容器に入れて加熱した方が速く温度が上がります。
家庭で食中毒を防ぐ6つのポイント
消費期限を確認して新鮮なものを購入する
持ち帰ったらすぐに冷蔵庫や冷凍庫に入れる
調理の下準備では、必ず石けんで手を洗い、清潔な調理器具を使う
調理する際は、必ず石けんで手を洗い、十分に加熱する
食事の前には石けんで手を洗い、調理したものは室温に長く放置しない
残った食品は清潔な容器で保存し、時間をおいて食べる場合は再加熱する
(食品安全委員会ホームページより一部改変)
~弊社月刊誌「暮しと健康」2010年6月号 話題の病気「最近増えています 生の肉による食中毒」より抜粋~
このほか、詳しい情報については、以下のホームページで確認できます。
食品安全委員会:http://www.fsc.go.jp/sonota/tyoukan-shokuchu.html











