EAPコンサルタントのコラム2009年10月(vol.04):ストレスマネジメント研修について

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ストレスマネジメント研修について

現在、私はストレスマネジメント研修の講師として多くの方々とお話をする機会をいただいています。研修に参加される方々の悩みや、必要とする知識はさまざまです。受講者は、新入社員から管理職まで年齢の幅も広く、お伺いする企業の業種もさまざまです。とおりいっぺんの講義ではなかなか必要な情報は伝わりません。カウンセリングの場面では、クライアントさん個人と真剣に向き合い、丁寧にその方のストレス要因を聞き、対処法を一緒に考えていくことができます。一方、研修の場面では、一人ひとりと丁寧に話ができないうえに、限られた時間の中でメッセージを伝えていかなければなりません。このような点に難しさを感じながら、講師として、常に大切にしていることがあります。それは、「短い時間の中で、いかに受講者の方に日常生活、職場生活で活かすことができるストレス対処法を得ていただけるか」ということです。日常的に活かしていただくために、個人で考えてもらうワークやグループディスカッションを多く盛り込み、一人ひとりが、自然な形でストレス対処に活かせる新しい発見をしてもらえるような内容を心がけ、研修プログラムを作成しています。

受講者のストレス要因は多様ですが、その内容を聞いてみると、多くの方が「仕事上のストレス」、「対人関係のストレス」を挙げられます。「職場の上司や同僚に不満がある」「顧客との関係」など自分以外の人と接する時に、イライラを感じる方が多いようです。人間関係のストレスを持っている方とお話する時に気がつくことは、「相手の短所やマイナス面ばかりを見ている方が多い」ということです。「~をしてくれない」「~な部分が嫌いだ」といった具合です。

そんなとき、講師が「ものの見方は一面だけではありません。プラス面も見ていきましょう」と伝えるだけでは「それはわかっているけど難しいのだよ」という反応が返ってきます。内容の理解だけではなく、やはり、「受け止め方を変える」という方法で気持ちが楽になることを体感してもらうには、ワークとして自分で考えてもらうことが一番です。

例えば、研修では、「頑固」「口が悪い」「行動力がない」など、性格の短所と捉えられている特徴を長所として捉えてみるとどうなるかを、『書いて』もらう時間を取っています。「頑固」は「自分の揺るがない意見をきちんと持っている人」、「口が悪い」は「裏表のない率直な人」、「行動力がない」は「慎重で思慮深い人」と考えることもできます。自分の頭で考えて『書いた』ことは、記憶に残りやすく、読み返すこともできます。つまり、日常生活の中でも「プラス面と考えられないかな?」と頭の切り替えをするための有効な方法である、『書いてみる』ことを始める良いきっかけになるのです。

他にも、「仕事で失敗した」など、ストレスを感じやすい出来事に対して、前向きな気持ちが持てる受け止め方は、どのようなものがあるかと考えてもらう『グループディスカッション』をしてもらうことがあります。「仕事で失敗した」ということは「人間なら失敗もするさ」または「失敗の原因を学び、次の成長につなげよう」と考えていくと少し楽になります。つまり、自分1人では受け止め方を変えることが難しくても、グループ内の他の人の意見から「そういう考え方もあるんだ」と以前とは違ったものの見方を得ていただける機会になります。

研修後のアンケートでも「書いて整理をすることを習慣化したい」、「他の人と話をして新しい発想を得ることができてよかった」というご感想を多くいただきます。やはり、自分で考え、感じたものが一番心に残るのだと実感しています。従業員のストレス耐性の向上は企業にとっての重要な課題となっています。企業の人事担当者とお話をしていると、「もう少し違う面から物事を見てくれれば、ここまで体調が悪くならなかのではないか」と感じることがあるとのご意見を伺い、心理職として受講者に多様なものの見方に気づいていただけるような研修になるよう意識しております。

今後も、1人でも多くの方が日常のストレス対処に活かせるスキルを習得して頂けるように、ワークを多く取り入れた実践的な研修を開発していくことに尽力していきたいと考えております。

(2009/10/28)

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