EAPコンサルタントのコラム2016年5月(vol.76):あなたは五月病?それとも○月病?

 

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あなたは五月病?それとも○月病?

五月病の正体とは?

皆さん、ゴールデンウィークも終わり、普段の生活が戻ってきたこの時期、疲れを感じていませんか?

「連休に遊び過ぎで疲れました!」という声はある意味元気である証で、それほど心配はいりません。しかし、新年度に入社、異動、昇進、役割・業務の変化、また家庭ではお子様の入園・入学等によって新しい生活習慣が始まり、慣れない生活の疲れがここにきてどっと出ている方がいれば、少し気をつけたほうがよいかもしれません。やる気やパワーが出ない、気持ちが落ちてしまう、食欲がなく夜もあまり眠れないなど、心当たりはありませんか? 十数年のカウンセラーの経験から、この時期は相談者の方からも新生活の疲れの声が聞かれることが多い印象があります。

これらは一般的に「五月病」といわれるものですが、正式な病名ではありません。生活や環境の変化に適応しようと頑張っているところで、こころと身体が踏ん張りきれずSOSのサインを出している状態です。放っておくと、適応障害やうつ病などの心の病に発展したり、身体に症状が現れる心身症になる可能性が出るため対処が必要です。

五月病は日本だけ?

実は五月病は4月に新しく年度が変る日本特有の現象です。私が留学していたアメリカでは、夏の終わりから秋にかけて新学期がスタートします。ただ、日本ほど新学期や新年度がきっちり決まっておらず、専攻する学部や個人の都合によって様々な時期に入学・卒業・就職・転職をすることも多く、そのためか日本のように「○月病」という言葉は聞いたことがありません。

とはいえ、アメリカ人も同じ人間ですから、新生活がスタートしてしばらくしてから不調を訴える方はたくさんいます。

ストレスの原因になりやすい出来事ランキング

人生において人はどのような場面でストレスの影響を受けやすいのか? この問いに対し、1960年代のアメリカで心理学者のホームズとレイが「社会的再適応評価尺度」という研究結果を発表しました。

順位 日常の出来事 ストレス
強度
順位 日常の出来事 ストレス
強度
1 配偶者の死 100 23 子女の離家 29
2 離婚 73 24 義理の親族でのトラブル 29
3 夫婦別居 65 25 個人的な成功 28
4 刑務所への収容 63 26 配偶者の就職・退職 26
5 近親者の死亡 63 27 進学・卒業 26
6 本人の大きなけがや病気 53 28 生活環境の変化(家の新築・改築、環境悪化) 25
7 結婚 50 29 個人的習慣の変更 24
8 失業 47 30 上司とのトラブル 23
9 夫婦の和解 45 31 労働時間や労働条件の変化 20
10 退職・引退 45 32 転居 20
11 家族の健康・行動面の変化 44 33 転校 20
12 妊娠 40 34 レクリエーションの変化 19
13 性生活の困難 39 35 社会活動の変化 19
14 新しい家族メンバーの加入 39 36 宗教活動の変化 18
15 合併・組織替え等職場の大きな変化 39 37 100万円以下の借金 17
16 家計状態の変化 38 38 睡眠習慣の変化 16
17 親友の死 37 39 団欒する家族の数の変化 15
18 配置転換・転勤 36 40 食習慣の変化 15
19 夫婦ゲンカの回数の変化 35 41 長期休暇 13
20 100万円以上の借金 31 42 クリスマス等 12
21 借金やローンの抵当流れ 30 43 軽度の法律違反 11
22 仕事の地位(責任)の変化 29      

●心身症や身体疾患が出現するおそれのある点数と確率
166 -199点:31%、200 -299点:51%、300点-:79%

過去1年間に、上記の項目で当てはまる出来事のストレス強度を合計した点数により、どのくらいの確率で病気になるのかがわかります。

ここで注目したいのは、ストレスは、ネガティブなことばかりではなく、7位結婚、12位妊娠、41位長期休暇、42位クリスマスといった一見お祝い事や楽しいイベントも含まれているという点です。出来事の一般常識的な善し悪しで判断するというより、その人の普段の生活習慣を大きく変化させて適応しなければいけないことがストレスの原因になると解釈できます。

アメリカではクリスマスがストレスの原因に?

一つ例を挙げると、私はアメリカでは自殺ホットラインの電話相談員をしていたのですが、クリスマス前になると「1年に1回だけど、夫の実家の家族に会うのが苦痛で仕方ない」「プレゼントやディナーの準備などやることがいっぱい! でもそんな気持ちになれない」という悩みをよく聴きました。アメリカではクリスマスは日本のお正月にあたり、家族と一緒に過ごす文化があります。また、イルミネーションで街が明るく華やかになるために、クリスマス時期にうまく適応できない人たちは、自分の気持ちの暗さと比較してそのギャップにより苦しむようです。

興味深いことに、似たような現象を保健同人社の電話相談でも経験しています。「イブに一緒に過ごす彼女がいなくて寂しい」「お正月に気の合わない姑に会うのが苦痛で仕方ない」といった内容の相談を12月にたくさん受けたのです。

あなたは○月病になりやすい?

4月に新年度を迎える日本文化では五月病という言葉の認知度が上がりましたが、もしかすると、皆さんの中にはクリスマスやお正月が苦手な十二月、一月病の方もいるかもしれません。または夏休みやお盆休みは実は気分的にしんどくて自分は八月、九月病ではと自覚されるかもしれません。あなたにとっていつもとは違う過ごし方を強いられ、少し無理をしないといけない季節を振り返ってみてください。その時のご自分の心身の反応や特徴をよく観察し、その時期は少しペースを落として過ごしてみる、リラックスする時間をいつもの月より多めに取るなどしてみてください。無理をしているご自分を労わりセルフケアすることで、しんどい時期を少しでも楽に乗り越えていきましょう。

(2016/5/25)

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