EAPコンサルタントのコラム2014年12月(vol.59):その話し合い、本当に“話し合って”いますか?

 

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その話し合い、本当に“話し合って”いますか?

育児スタイルの世代間ギャップ

我が家は三世代同居。私はたくさんの大人の目と手のあるなかで子どもを育てています。
大人が多くいれば、育児のスタイルもいろいろです。

たとえば子どもが小さかった頃、私は身の回りのことは時間がかかってもまずは自分でやらせ、早寝早起きをさせていました。義父母は、「親がしてやれることは極力してやるべき」「小さい子が楽しそうにしているなら無理に寝かせることはない」という考えでした。
義父母には「上手にはできないのだから着替えを手伝ってやれ」「時間が遅いからと遊びを中断させるな」などとよく叱られていましたし、私も「子どもには早寝早起きをさせたい」と何度も義父母に話し、理解を求めたものです。

平行線が続く

どんなに叱られても、私は「自分が間違っているのではなく、考え方が違うだけ」と考えていましたので、子どもの着替えを手伝うようになることもなく、就寝時間に合わせて行動させることも続けていました。同様に私の留守には、義父母が着替えから食事まできめ細やかに世話をし、私の帰りがどんなに遅くても、子どもはとても楽しそうに興奮した様子で、跳ねまわりながら待っていました。
同様の考え方の違いは他にもいろいろとあり、関わる大人によって対応が正反対という環境でしたから、子どもは混乱していたかもしれません。

家庭だけのテーマではない

こういった、各々のスタイル、考え方の違いからくるコミュニケーションギャップは、職場でも起こっています。主任と課長の方針がずれている。課長と部長の指示が正反対。時には、「部長の言うことは気にしなくていいから」という課長の指示に従い、後日、部長に叱られてしまった、などという話も耳にします。
たいてい、最も混乱しているのは、実際に業務にあたる担当者のみなさん。私たち心理職も、そんな職場で必死で働く方からの相談を、よくお受けしています。

ひょんなことからギャップが小さく

さて、我が家のコミュニケーションギャップですが、実は、テレビの教育番組が解消してくれました。
ある日、教育番組で「子どもには早寝早起きが大事」という内容が放送されたのをきっかけに、義父母はあっさり早寝早起き推進派になったのです。そればかりか、私に対して「子どもには早寝早起きが大事なのよ」「あなたは知らないと思うけれど」とアドバイスをくれるように!
そう、どうやら私の「子どもには早寝早起きをさせたい」「遅くまで起こしておきたくない」という主張は、義父母にはまったく伝わっていなかったのです。

それまでギャップが埋まらなかったわけ

今にして思えば、私を叱るときの義父母は、私の考えには関心がありませんでした。私は私で、「私は間違っていない」という気持ちがありましたし、「叱られてもいないときにこの話を蒸し返してもめたくない」とさえ思っていましたので、義父母が耳を貸してくれるようなタイミングや言い方の工夫をしようとはしませんでした。
また、義父母は「楽しんでいるのに遊びをやめさせたらかわいそう」と、“今、ここでの子どもの気持ち”について訴え、私は「心身の発達のために必要な経験・生活をさせたい」と、“子どもの成長にとって望ましい生活の条件”について訴えていました。
私たちは、そもそも何一つかみ合っていなかったのです。

コミュニケーションギャップを埋めていくために

理解し合えない、理解してもらえない、と感じていても、もしかすると、単に「伝わっていない」だけなのかもしれません。伝わっていないがために、一人ひとりが仕事をしにくくなる可能性があるのだとしたら、なんともったいないことでしょう。

伝えるのに適切なタイミングをはかること。
自分も相手を理解しようとすること。
自分にとってわかりやすい言葉ではなく、相手にとってわかりやすい言葉を選ぶこと。
話し合いの主題を正確にすり合わせること。

いずれも、ついつい軽視してしまいがちですが、こういった「自他尊重のコミュニケーション」は話し合いの基本です。心理学では「アサーティブ・コミュニケーション」ということがありますが、お互いを尊重し、落とし所を見つけていけるこのようなコミュニケーションを心がけることで、安心して仕事ができる職場づくりにつながります。あらためて自分の話し合いでのやりとりを、点検してみてはいかがでしょうか。
「話し合ったつもり」が解消されるだけでも、ぐっと職場の雰囲気が変わりそうです。

弊社では、職場コミュニケーションを円滑にする研修を多数用意しております。研修をご検討の方は弊社EAPコンサルタントまでご相談いただければ幸いです。

(2014/12/17)

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