EAPコンサルタントのコラム2015年4月(vol.63):パワハラ式コミュニケーション訓練法

 

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パワハラ式コミュニケーション訓練法

小生、カウンセラーを志し20年余り立ちました。年も半世紀を過ぎる年齢となり、ふと昔を振り返ることが多くなった気がします。そこで今回は、カウンセリングの勉強を始めた当時、いろいろ先生から言われたことをつれづれにご紹介します。その当時は全くわからなかったことも、年を取ると少しだけ理解できたような気がいたします。少し禅問答みたいな内容です。昨今、人間関係やコミュニケーションの希薄さが問題になっています。特に管理職の方々に少しでもお役にたてば光栄です。

傾聴ということ

「部下の話を傾聴しましょう」や「コーチングでの傾聴法」など、傾聴ということばをよく耳にします。これらは、コミュニケーションを促進するためのスキルとして紹介されます。カウンセリングを学び始めた当初もこの傾聴からはじまりましたが、振り返るともっと深い意味があるような気がします。

先生「カウンセリングで何をするんだ?」
小生「傾聴します」
先生「傾聴って何だ?」
小生「相手の話すことを、積極的に聞くことです」
先生「それで?」
小生「相手と信頼関係が生まれ、心の成長を支援できます」
先生「あほ!!」

今考えると、とても軽率な答えでした。当時、小生は「傾聴」と言う言葉を、スキルや手段としてしかとらえていませんでした。よく考えますと、積極的に聞くだけで信頼関係ができたり、人の心が成長するわけがありません。このときは、先生は機嫌が悪く「あほ!!」で会話は終わったのですが、そうでなければ、次のような質問が来たはずです。「信頼関係って何?」「心の成長って何?」。このパターンでどんどん追い詰められてゆきます。今から振り返りますと、小生が自分の体験、経験から自分の言葉として「カウンセリング」「傾聴」「心の成長」を語っていないのを見透かされていました。こんな上っ面だけのカウンセラーに相談すると、たまったもんじゃありません。そうならないための訓練ではないか、と今思うのです。

これをカウンセリングではなく、皆さまの職場に置き換えて考えて下さい。

傾聴、思いやり、信頼関係、風通しの良い職場など、当たり前のように使っていませんか? リーダーシップの真価が問われる状況で、借り物の言葉でどれだけの人が共感し行動するのでしょうか?  組織は動くのでしょうか? 今一度、皆さま自身の体験を通じて、自分の言葉で語っていただくことをお勧めします。そうすれば、より質の高いコミュニケーションが可能になるはずです。

自分と向き合う

先生「お前はカウンセラーに向いているか?」
小生「もっと経験をつまないと判断できません」
先生「お前はカウンセラーにむいているのか?」
小生「先生は向いていないと思うのですか?」
先生「やっぱり話しにならん!!」

いつもこの様な繰り返しなので、私は本気で先生を殴ってやろうと思いました。私自身カウンセラーにはあまり向いていないと思います。しかし、今思うと、先生とのやりとりは、カウンセラーの適性の話ではなかった気がします。先生は「カウンセリング」を次のように語っていました。「相手(相談に来た人)は、その人の人生、経験、苦しみを背負って来るんよ。カウンセラーはその人の人生や苦しみを背負う覚悟で聴かなあかんのよ。そこで誤魔化しはきかん!! 真剣勝負でやらなあかん!! それでカウンセラーは、『あぁまた余計なこと言うてしもた!!』とか『えらそうな事言うても、自分もあまり変わらん』とか反省しながらカウンセリングを繰りかえすんよ!! どっちが偉いとか言うもんじゃないんよ!!」。だから上記のやりとりは、「カウンセラーの覚悟」「相手と向き合い自分と向きう覚悟」を問われていたと、今になって思います。

上記の会話の「カウンセラー」を「管理職」に、「カウンセリング」を「管理職の仕事」、「相手」を「部下」に置き換えて、読み直しイメージを膨らませてください。皆さまにはどの様な光景が浮かびましたか?

カウンセリングはコミュニケーションを通じておこないます。コミュニケーションで大切なのは言葉です。そしてコミュニケーションでは、言葉を使う人間の覚悟や感性が問われます。これはカウンセラーだけでなくコミュニケーション力が問われる立場の方なら必要なことです。今回、スパルタ式コミュニケーション法としてご紹介いたしましたが、これは言葉を扱う人間の覚悟を植え付け感性の大切さを叩き込む訓練ではなかったかと思います。

皆さま!! この訓練を従業員や部下には決しておこなわないで下さい。ご存知のように「パワハラ」になります。しかし、もし個人的にご興味をもたれた方は、自主的に弊社のカウンセリングルームをこっそりお尋ね下さい。指をポキポキならしながら、心よりお待ちしております。

(2015/04/21)

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