EAPコンサルタントのコラム2015年8月(vol.67):復職してくる社員にどう接すればいいの?

 

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復職してくる社員にどう接すればいいの?

はじめての声かけ

先日、とある会社で実施した研修の、グループワークでのひとコマ。
お題は「メンタル不調で休職していたAさんが、職場に復帰することになりました。復帰初日、Aさんが出社してきたら、まず何と声をかけますか?」

参加者は十数人です。皆さん、「うーん」と首をかしげて考え込んでいらっしゃいます。「まずいこと言えないよな」「気を使うなー」。こんなこころの声が聞こえてきそうです。そのうち、一人がパッと顔を上げておっしゃいました。

「『おはようございます』ですよね」
そのとおり。すぐに浮かんだ方もいると思います。考えてみれば(考えなくても)当たり前ですよね。朝、出社したらあいさつを交わすのはごく自然なことです。

しかし、「メンタル不調」だった人の、「職場復帰初日」という但し書きがつくと、受け入れ側は途端に、当たり前のことが思い浮かばなくなってしまったり、不安な気持ちが強くなってしまったりするのではないでしょうか。

皆が当事者

復職支援というと、主役は(特にメンタルヘルスの不調で)休職されていた方で、その方が順調に回復されて元の職場に戻り、病気が再発しないようサポートするというイメージがあると思います。しかし、人事や管理職の方々へのマネジメントコンサルテーションを通じていろいろお話を伺っていると、受け入れる側の皆さんにもちょっとしたサポートがあったほうが心理的な負担が軽くなりますし、結局は復職されるご本人にとっても周囲のサポートが得られやすくなって、順調な職場復帰へとつながりやすいのではという感を強くします。何の病気なのか、うすうすはわかっているけれど、本人にはもちろん直接確認できないし、その病気についても知らないことばかりだから、どんな態度をとっていいか迷う。その結果、周囲は腫れ物に触るような対応に…、これではせっかく回復して復職してこられる方も孤立しがちです。

実は、冒頭のグループワークのひとコマは、そうした受け入れる側の皆さんをサポートするためのセッションでの様子です。休職していた人が出社してきた時にどう声をかけるか、といったことはほんの一部に過ぎません。もしメンタルの不調で休んでいた人であったならば、病気の特徴や、やったほうがよいこと、やってはいけないこと、また今後の療養に際して、業務に支障があるのかないのか、などといったことをご本人の了解された範囲で受け入れ側メンバーにお伝えしていきます。

身体の病気であってもそうでしょうが、メンタル不調の場合はなおのこと、病名はもちろん、休んだ理由自体「体調不良」等々、周囲の人たちにはあいまいなままではないでしょうか。例えば「うつ病」だった場合、周囲が遠慮をして、病名を伏せるケースが多いでしょう。私達EAPのサポートでは、まずご本人としっかり面談をし、ご本人の考えを確認します。職場の人たちに、「ここまではわかってほしい」「できればこういう点には気を配ってほしい」という要望や、例えば「病気の都合でランチは一緒にできませんが、気を悪くしないで下さい」といった希望などを聴いていきます。病名について、あいまいなままで勘ぐられるより、むしろはっきりと伝えてほしいという人も結構いるものです。

皆さんのメンタル不調予防のためにも……

私達EAPが中立的、客観的な第三者となって、いわば、復職する方と職場のメンバーとの橋渡しをする訳です。グループでのセッションには、私なりに意味づけしていることがもうひとつあります。それは、メンタルヘルスの基礎的な知識や、個別の再発予防対策をお伝えすることが、職場のみなさん自身の不調予防や気づきにも役立つのではないかということです。

これまでメンタルヘルスの不調の場合を例に挙げてきましたが、最近では、身体疾患の療養を経て復職される方を対象としたケースもあります。身体疾患の場合、専門的知識をもった保健師が対応します。病を得ながらも仕事を続ける、それは今の日本社会の潮流です。私達のサポートが、社会の潮流を推し進める方向に役立てばと思っています。

(2015/08/17)

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