EAPコンサルタントのコラム2016年7月(vol.78):カチンときたら、すぐ実行!「落ち着くステップ」

 

他のコラムを見る

カチンときたら、すぐ実行!「落ち着くステップ」

最近、怒りっぽくなっていませんか?

最近、電車の中で大きな声をあげて、言い合いをしている人達をしばしば見かけます。原因は、「押した」「肩がぶつかった」「にらみ付けた」など、些細なことが多いように思います。朝の満員電車は、不快指数が高く、多くの人が険しい顔つきをしています。そういう環境下では、普段だったらあまり気にならないことでも、ちょっとしたことで腹が立つということもあるでしょう。忙しかったり、体調が悪かったり、自分に余裕がなかったりすると、普段以上に怒りっぽくなるのは、自然な反応ともいえます。

最近の自分を振り返ってみて、怒りっぽくなっていることに気付いたなんてことはありませんか?

怒りの感情をどう扱う?

私は以前、小学生の子ども達を対象に、セカンドステップというプログラムのグループリーダーを務めていました。このプログラムは、米国ワシントン州にあるNPO法人Committee for Childrenによって「子どもが加害者にならないためのプログラム」として開発されました。「キレない子どもを育てよう」を合言葉に、子どもが集団の中で社会的スキルを身に付け、さまざまな場面で自分の感情を言葉にすることで、対人関係での問題を解決し、怒りや衝動をコントロールできるようになるレッスンで構成されています。子ども達が理解できる内容で、かつ大人にも共通するエッセンスがたくさん含まれており、私自身、このグループワークから多くのことを学びました。今回は、本プログラムの主軸の一つ「怒りの扱い」について、私が学んだこと・感じたことをご紹介します。

1.怒りの感情を自覚する

喜怒哀楽というように、怒りというのは、人間の基本的な感情の一つです。怒りの感情自体は、必ずしも否定的なものではなく、私達の生活や仕事において、建設的な変化をもたらすために必要なことも多くあります。大切なのは、怒りを感じた後、どのような行動をとるかです。そのためには、まず「怒り」という感情を理解することから始めましょう。自分はどんな時に怒りを感じやすいか、怒りを感じた時に自分の体はどう変化するか、怒りをどう表現することが多いかなどです。体が強張る、頭に血が上って顔が赤くなる、大声を出したくなる、物や人にあたるなど、怒りの感じ方は人それぞれです。

2.「落ち着くステップ」で気持ちを落ち着かせる

怒りを感じた時、まずすべき行動として「落ち着く」ことが大切です。「落ち着いてゆっくり考えよう」を合言葉に、「落ち着くステップ」を練習します。例えば、

特に真新しい内容ではないですが、日常生活の中でこの数秒の行動は、意識しないとなかなかできないのではないでしょうか。そして、実際にやってみると意外と気持ちを落ち着かせるのに効果的です。怒りが完全に収まるわけではありませんが、呼吸を整えたり、間を置くことで、衝動的な行動は避けられます。このプログラムの中で、子ども達そして私個人にとって一番有効だったのは、実はこの怒りを感じた時の「落ち着くステップ」です。

3.安全に問題を解決する方法を見つける

落ち着いた後で、何ができるか解決策を考えます。まずは、良し悪しにかかわらず、考え得る解決策をみんなで出し合い、落ち着いて考えれば、こんなにたくさんのアイデアが浮かんでくるということを体験します。出てきた解決策については、安全性、お互いの気持ち、公平性、解決の可能性について一つ一つ点検していきます。その中で、相手を批判せずに「私は~」というI messageを使って、自分の感情を相手に伝えることを学びます。これはアサーション・トレーニングなどでもよく使われるので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。自分も相手も尊重するコミュニケーション力は、私達の社会生活でも大切なスキルです。

その日のストレス、その日のうちに・・・

怒りの感情の扱いについてお伝えしてきましたが、「怒り」を感じること自体はとても自然なことで、それ自体がいけないことではありません。本音や感情をぶつけ合うことで、相手との絆が深まるということもあります。ただ一方で、一度感情に任せて相手を傷つける言動をしてしまったことで、それまでの信頼関係が壊れ、元の関係に修復できないということもあるかもしれません。

一社会人として、そして子ども達の模範となるべき大人として、責任あるふるまいを求められる私達にとって、自分の怒りの感情を上手に扱うということは必要なことといえるでしょう。自分も相手も傷つけずに、安全に問題を解決できる方法を見つけるために、まずは「落ち着いて考えてみる」を意識してみてください。また、それと同時に、自分の余裕のなさが原因で、必要以上に怒りっぽくなるということがないように、日頃の心のメンテナンスが大切です。その日のストレス、その日のうちに対処を!

参考文献:「キレない子どもを育てるセカンドステップ」(NPO法人日本こどものための委員会)

(2016/7/19)

ページのトップへ

関連サービス
  • EAP
    従業員のこころとからだの健康をトータルで支え、よりよい職場づくりをサポートします
  • MOSIMO
    メンタルヘルス不調者が長期休職したときの企業のコストを試算するこができるツールです

ページのトップへ