EAPコンサルタントのコラム2017年6月(vol.89):臨床心理士が教える『信頼を深める3つのポイント』

 

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 臨床心理士の仕事の代表的なものに、「心理カウンセリング」があります。カウンセラーとして働いていると、お客さまからこれまで誰にも話せなかった話を打ち明けられることは珍しくありません。親しい友達でもないのに繊細な話題を取り上げ、踏み込んだ話をするカウンセリングは、相手との間に信頼関係が築けなければ成り立たないものです。

 カウンセラーというと、とことん聴き上手で、相手のことを深く理解し、気持ちを受け止める…というイメージではないかと思います。しかし、話し手のことを理解し、気持ちを受け止めるだけでは、信頼関係を築くには足りません。

 何を理解して受け止めたのか、会話の中で相手にしっかり伝えることが重要。こちらが間違いなく理解したのだと伝わって初めて、「あなたになら話せる」と言われる関係が築けるのです。

 そんな関係作りは、臨床心理士だけではなく、さまざまな人間関係の中で誰にとっても必要なものでしょう。そこで、今回は、信頼関係を作る会話の3つのポイントをお伝えします。

信頼されるためのポイント1 -笑顔-

 顔を合わせたらまず、笑顔全開で挨拶をしましょう。口角を挙げて、目は三日月型にして。控えめな微笑みでは相手に伝わらないこともあります。

 専門的には「互恵性」と言いますが、人は好意的な対応を受けると、自分も相手に好意的な気持ちを抱く傾向があります。好意を感じられる人には、信頼の気持ちを持ちやすくなるもの。ですから、信頼関係を築く第一歩として、笑顔で「私はあなたに好意的な気持ちを持っていますよ」としっかり伝えることが大切なのです。

 その後は、相手の状況ややりとりの内容にあった表情で接しましょう。相手がホッとしたらそこで終了、それが信頼感につながる笑顔の使い方です。

信頼されるためのポイント2 -分かりやすく大きな反応-

 びっくりしたら目を見開き、よく分からなかったら顔中をクエスチョンマークに、納得できたらたっぷりとうなずきましょう。適切なあいづちや大きくはっきりした豊かな反応は、「分かってくれている感」につながり、信頼関係の土台を固めます。相手がひどく落ち込んでいる時はこちらの反応が伝わりにくくなりますので、普段より少し大きめに反応してください。

 ただし、大きく反応さえすればいいというものでもありません。相手の様子をよく観察することも大切です。ポイントがずれていると感じたら、その都度、対応を修正していきます。

 ずれてしまっても、修正すれば大丈夫。ポイントを外すことを恐れると反応が小さくなり、「私の話、つまらないかな」「こんな話、興味ないかな」と不安にさせてしまいます。よくよく観察、適宜修正。興味深く耳を傾けているのだということを、大きな反応で積極的に伝えていきましょう。

信頼されるためのポイント3 -「そのままでいいよ」に始まる味方感-

 楽しい話ではさほどでもないのですが、辛い話だとストレートに励ましたり、アドバイスをしたくなったりします。でも、励ましやアドバイスは、時に「変わりなさい」というメッセージになってしまう恐れがあります。

 人は変化に抵抗しがちな生き物です。信頼関係を築こうと思うなら、「変わりなさい」というメッセージの発信には注意が必要です。はじめのうちは「あなたはそのままでいい」という姿勢で慌てず騒がず耳を傾け、大きな反応を返してあげましょう。そうやって築いた信頼という土台の上に、素の自分を否定されない「味方感」を育てることが、「あなたなら」の関係につながります。

 「あなたなら」の関係ができてからなら、「変わりなさい」というメッセージを出しても大丈夫。しっかりとタイミングを見計らえば、効果的に伝わることでしょう。

 笑顔と反応と味方感。この3つが、信頼される関係を作るポイントです。恋愛、友人、職場、家庭…さまざまなシチュエーションがありますが、この人はという相手、ここぞという場面では、ぜひこの3つを意識して、ぐっと密な「あなたなら」の関係を築いてください。

(2017/6/16)

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