EAPコンサルタントのコラム2017年7月(vol.90):臨床心理士が教える『言うことを聞いてくれない!部下への対応法』

 

他のコラムを見る

 

 みなさんは上司の役割はどのようなものと考えますか。部下に指示を出す、指導や教育をするなどは、比較的イメージしやすいと思います。その際、イライラして命令口調で伝えると、部下に反発されたり、指示を出しても動いてくれないなどということはありませんか。なぜそのようなことが起きてしまうのでしょうか。

 人には自分のことは自分で決めたい、自由に選びたいという根本的な欲求があります。しかし、命令口調で言われると、「自由が脅かされた」と感じて、その自由を取り戻そうとして反発したい、抵抗したいという気持ちが生まれます。これは心理的リアクタンスと呼ばれるもので、子どもが親に「勉強しなさい!」と言われると、逆に宿題をしなくなることなどもこれに該当します。

 同じことが上司と部下の間で起きているのです。
では、部下に指示を出すときには、どのような関わり方をすればいいのでしょうか。

上司の態度

 上司の言うことを聞いてくれないとなると、どうしても「こいつはダメだ」「できないやつだ」「信用できない」という否定的な考えが浮かびやすくなります。しかし、否定的な考えを持ったまま部下と接してしまうと、それが口調や態度、表情に出て、部下に伝わってしまいます。そうなると、部下のモチベーションは下がり、ますます言うことを聞いてくれなくなります。

 どんな人でも良いところ、できているところ、頑張っているところが必ずあります。部下に対して否定的な考えが浮かんだときは、良いところ、できているところを見つけて、「○○はできていないけど、××はできている」という考えに切り替えて接することが大切です。

特に言うことを聞いてくれない部下への『3つ』の関わり方

 部下に指示を出すときのポイントは3つです。特に言うことを聞いてくれない部下に対しては、以下の3つのポイントを意識すると、意志の疎通がスムーズになり、聞く耳をもってくれやすくなります。

①理由を伝える

「仕事の進み具合が気になるから」「今後の仕事の割り振りについて考えたいから」など、なぜそのような指示を出すのかという具体的な理由を伝えるようにしてください。また「これをやってくれないと、悲しすぎて泣いちゃうよ~」など、ユーモアを織り交ぜながら伝えると、心理的リアクタンスが生じにくくなります。決して「頼りないから」「どうせできてないだろうから」など、相手の否定的な部分を取り上げて、それを理由とする伝え方をしないようにしてください。逆にモチベーションを下げることになります。

②質問や提案をする

指示を出すときには、「今どれくらい仕事を抱えているのか?」「私の作った資料をたたき台にして、会議の資料を作ってくれないか?」など、質問や提案をしながら進めていくのも効果的です。部下に質問や提案を投げかけ、選択の自由を与えることで、心理的リアクタンスが生まれにくくなります。

③「私は」を入れて伝える

「資料を作って!」「会場の準備をしておいて」など、して欲しいことだけを伝えてしまうと、一方的に押し付けられている感じがしてしまいます。部下にして欲しいことがある場合は、「私は資料を作って欲しいのだけれど、やってもらえるかな」など、「私が思っていること」として伝えると押しつけられている印象は少なくなります。また、「会場の準備をしておいてくれたら嬉しい(ありがたい)」と、感謝の気持ちを伝えるのも効果的です。

『3つ』の関わり方を意識することは、指示に従ってくれるようになるだけではなく、部下との関係をより良い方向へ変化させるきっかけにもなります。上司にとっても部下にとっても働きやすい職場にするためにも、ぜひ、お伝えしたポイントを参考に部下と関わっていただきたいと思います。

(2017/7/13)

ページのトップへ

関連サービス
  • EAP
    従業員のこころとからだの健康をトータルで支え、よりよい職場づくりをサポートします
  • MOSIMO
    メンタルヘルス不調者が長期休職したときの企業のコストを試算するこができるツールです

ページのトップへ