2010年10月(vol.14):楽観主義的マネジャーのすすめ

他のコラムを見る

 

楽観主義的マネジャーのすすめ

ポジティブ心理学とは?

ポジティブ心理学は、元全米心理学会会長のM・セリグマン教授が2000年頃から提唱している心理学です。

この心理学は、ただ精神疾患を治したり、自らの短所や悩みを解消するという、いわゆる人間のネガティブな側面に焦点をあてるのではなく、個人に生まれながらに備わった「強み」や「美徳」をさらに伸ばしたり、社会を繁栄させるような強みや長所、つまりポジティブな側面をいかに強化するかを研究する、近年注目されている心理学の一分野です。

職場でも、たとえば生産性を下げるような“マイナス”の要因とその対処ばかりに目がいきがちですが、活き活きと働く人の心理やパフォーマンスなどポジティブな要因に注目する動きが最近では高まっています。

メンタルヘルス、というと「ストレスマネジメント」だったり、「うつの予防」だったり、「マイナス状態をゼロにもっていく」というイメージを抱く方もいらっしゃるのではないでしょうか。それも大切なことですが、「ゼロ(マイナスではない)から出発してプラスに向かう」というのがポジティブ心理学の発想です。

ワークエンゲイジメント

「ワーク・エンゲイジメント」という言葉を聞いたことがありますか? 職場のポジティブ心理学と関連する概念のひとつです。ちょっと長くなりますが、シャウフェリという人の定義をご紹介しましょう。

「ワーク・エンゲイジメントは、仕事に関連するポジティブで充実した心理状態であり、「活力」、「熱意」、「没頭」によって特徴づけられる。エンゲイジメントは、特定の対象、出来事、個人、行動などに向けられた一時的な状態ではなく、仕事に向けられた持続的かつ全般的な感情と認知である」どうでしょう? 活き活きと、熱く、仕事に没頭する―そんなスーパーサラリーマンの姿が目に浮かびますね。でも、誰もがスーパーサラリーマンを目指しなさい、というのはちょっとハードルが高いかも・・・ワークエンゲイジメントが高い人や職場の背景を探って、とりいれられるものは取り入れていきましょう、というふうに考えればよいのではないか、と私は思っています。

ワークエンゲイジメント以外にも、ポジティブ心理学にはいくつかのキーワードがあります。

「Strength(強み)」もそうですが、たとえば「Hope(希望)」や「Optimism(楽観主義)」、最近よく日本でも聞く言葉に「Resiliency(弾力性、回復力)」、「Self Efficacy(自己効力感)」などがあります。昨年10月に、私はテキサス州ダラスで開催された、EAP専門家の集まり(EAPA=全米EAP協会 の年次総会)に参加しましたが、そこで開かれたセミナーのひとつでこんな話を聞きました。

楽観主義(的マネジャー)のすすめ

楽観的なマネジャーは職場の生産性を上げるということが、調査からわかっているそうです。つまり楽観的であることは、よいリーダーになるためのカギとなる要素なのです。マネジャーは従業員の精神状態や健康状態に大きな影響を与えます。上司が楽観的だと、部下の間でもポジティブな感情が広まる、というのです。

そこで、よいリーダーとは―困難な状況でも、ポジティブな見通しを失わない。部下を常に認め、強みを伸ばすことに注力する。マイナスの状況でも、成長の機会ととらえる。これが楽観主義的リーダーの特徴です。

さらに、職場で楽観的な風土を作るには、ひとつ、過去に対して寛容になる、ふたつ、現状を受け入れる、そして、みっつめ、将来へとつながる機会を常に求める、これがカギだそうです。

皆さんの職場でも、どこか取り入れられそうではないでしょうか。

(2010/10/12)

ページのトップへ

関連サービス
  • EAP
    従業員のこころとからだの健康をトータルで支え、よりよい職場づくりをサポートします
  • MOSIMO
    メンタルヘルス不調者が長期休職したときの企業のコストを試算するこができるツールです

ページのトップへ

ページ上部へ戻る