2010年11月(vol.15):繰り返す休職

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繰り返す休職

一口に「繰り返す休職」といっても、さまざまなケースがあります。

病気の回復が十分でなかった場合。職場の対応が十分でなかった場合。「休んで職場に迷惑をかけたから」と、無理をして復職された場合。復職者ご本人の無理を避けようという意識が強く、休むことへのためらいがない場合などです。

他にもいろいろなケースが考えられますが、最近、これも繰り返してしまう一つの要因だなぁと感じているのは、「メンタル疾患も“病気の一つ”である、という意識にかけている場合」です。

例えば、何かからだの病気で入院を余儀なくされるなどして長期間会社を休んでいた場合。まだ本調子ではないけれど無事退院し、残業制限などをつけた状態で会社に復帰したとします。毎日の食事は栄養バランスの整ったものをとり、早寝早起きすることを意識される方が多いのではないでしょうか。

では、メンタル疾患で会社を休んだ場合について考えて見ましょう。

復職にあたり、バランスのとれた食事や早寝早起きなどの生活習慣をどのくらい留意して毎日を過ごすのでしょうか。

ある会社で、このような相談がありました。うつ病で休職された男性が、休職中は昼過ぎまで眠り、午後少し動けるようになるのを待って用事を済ませ、出かける気力のない時はカップ麺や菓子パンでお腹を満たし、そのあと、夜は午前1時2時までオンラインゲームをしてから就寝、というのが日課でした。

ご本人としては、ご自身の体調回復のために、趣味のオンラインゲームの時間を意識して確保しておられたようです。復職されてからは、仕事でストレスがかかるからと、ますますオンラインゲームの時間を大切にされるようになりました。もちろん、深夜まで起きているので朝はなかなか起きられません。間もなく、「体調が整わず、朝起きられない」と、再休職されてしまいました。

また、別の相談で、同じくうつ病で休職を繰り返している女性のケースです。復職した際、彼女の所属する部署は非常に忙しく、皆終電ギリギリまで働いています。そんな中、心苦しく思いながらも定時に帰り、ゆっくりすごして、午前0時から1時頃には布団に入っています。今までは就寝は2時3時が普通だったので、本人はずいぶん早く床についているつもりです。しかし、定時に間に合う時間にスッキリ目覚めることができず、職場でも業務に集中できません。起きられない、集中できないはことについて主治医にも相談していますが、投薬内容を見直すなどしてもなかなか体調はよくなりません。「自分の病気はもう治らないのではないか」と悲観的なお気持ちになりながら、相談の中で睡眠時間が6時間しかないことに気づき、もう少し就寝時間を早めることになりました。

メンタル疾患のために休職された方たちで、せっかく会社を休んでいたり残業ゼロで早く帰ったりしているにも関わらず、いろいろな事情で遅くまで起きているという方は少なくないのが実情です。健康な方であっても、就寝が連日深夜になったり、いい加減な食事をとったり、そもそも食事を取らなかったりという状態で、毎日朝から働くというのはつらいもの。病みあがりで疲れやすい状態の方ではなおさらでしょう。

もちろん、病気の症状がゆえに遅くまで寝付けない方、夜中に目が覚めてしまう方、朝起きられない方はおられます。気力や食欲が戻ってこないために、簡単な食事しか取れない場合もあるでしょう。復職して負荷がかかることで体調を崩し、生活リズムが乱れてしまうこともあるでしょう。症状のために生活リズムも整えられないのは、ある程度仕方がないものです。

しかし、「眠れない」「寝つきが悪い」と言いながら、布団に入る直前までパソコンや携帯電話をいじったりテレビを見たりと目がさえてしまうような行動を習慣にしている方や、なんとなく就寝時間が遅くなっている方、復職して何かとストレスがかかっているからとあえて夜遅くまでネットサーフィンをしてストレス解消を図る方なども、案外いらっしゃるのです。

メンタル疾患というとなんだかあいまいに感じられますが、病気は病気。休職=要安静。休職明け=病み上がり。それは、他の疾患とさほどかわりません。

職場復帰フォローアップのコツ

こうした、メンタル疾患で休職した人が、職場への復帰をするうえで大切なことは、管理職や人事担当者からのフォローアップをすることです。診断書でお墨付きができたから大丈夫、元気そうに働いているから大丈夫だと考えてしまわずに、一定期間(休職者の状態にもよるが、だいたい6カ月くらい)フォローアップをすることが必要です。長い期間休んでいて、仕事場にいると、そのことだけでストレスは高まっていきます。その際には、普段の様子からの変化や勤怠、業務上パフォーマンスの変化等を中心に見ていくとよいかと思います。例えば、休日明けの月曜日などに遅刻や欠勤がないか? 面談で、規則正しい生活をすることができているかについて、確認をすることが大切になります。サポート面で、こんな当たり前の事聞くのもどうかと思わず、基本的な生活習慣がしっかりとできているかについても確認を実施していくことも大切になります。

(2010/11/18)

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