2011年5月(vol.20):売上No1管理職の「パワハラ」

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売上No1管理職の「パワハラ」 ~社内規定と対応マニュアルはあるけれど~

【相談事例から①】ある若手社員からのご相談です。

「仕事に自信がない」「会社からの期待にはこれ以上応えられない」と、消耗しきった様子でした。これまでの仕事が会社で認められ、憧れのマーケティング担当に配属された彼でしたが、深夜までがんばっても、次から次へと案件がくる状態。何カ月かがんばってきましたが、とうとう体調を崩してしまいました。上司は会社でも評判の生え抜きで、上層部からも評価の高い人です。彼も上司のことを「本当に仕事のできる人なんです」といいます。

そこで、業務の報告や相談の様子を聞くと彼からの答えはこうでした。

「進捗報告をするといつも『なんでこんなことができないの?』『あなたは能力がない!』『うちは仕事のできない人はやめてもらってかまわない!』と上司から大声でいわれてばかりで・・・」

【相談事例から②】人事の方からこんなご相談がありました。

「社員から、あの人はパワハラをしていると声がある。メンバーも何人かやめている。でもそのマネジャーの営業成績は社内でもトップクラスで上の評価も高い…。本来は規定に沿って対応することにはなっているが、会社の措置といってもどうしたらよいのか」

心理学の視点から見てみましょう 「ハロー効果」

心理学の対人認知の分野で「ハロー効果」というものがあります。ハローとは後光がさす、というときの後光や光輪の意味です。つまりある能力が非常に秀でているなど、一つ突出した特長があると、人格的にも優れている等、他のチカラも優れていると錯覚してしまう、というものです。

さて、この側面から考えてみると、先ほどの事例①は、プレイヤーとしての能力の高さがリーダーシップも優れている、という錯覚を引き起こしている可能性があることがわかります。本来、営業スキルとチームメンバーに成果を上げさせる能力は全く別物です。ですから、事例①のような場合に必要なのは、組織としての「ハイパフォーマーへの過大評価や過剰期待からの脱却」です。

つまり、プレイヤーとしてのスキルの高さと、リーダーとしてメンバーをまとめ教育するという能力は別である、という認識をまず持ち、その上で後者を高めるための教育や、適切な評価をする、といった施策を組織で行うことが必要です。

それがないと、会社は数字を期待する⇒ハイパフォーマーリーダーはメンバーにも自分のやり方が正しいという信念のもとに同じことを要求する⇒メンバーに自分は合わない、できないという感覚が生まれ、モチベーションが低下⇒ハイパフォーマーリーダー自身も焦り、さらに要求が強くなる⇒メンバーのさらなるモチベーション低下、離職/メンタル不全⇒売上低下・・・・

という負の連鎖に陥ります。

結果的に、メンバーへの影響だけでなく、せっかくのハイパフォーマーの業務スキルの高さも活かされず、リーダーとしての成長の機会も失われてしまうのです。

御社ではいかがですか? それでも1人のハイパフォーマーにすべてを委ねますか? それとも長期的な視野を持って人材を多く育てて、全体で売り上げUPを目指しますか?

最後に付け加えます。

事例①の若手社員の方は、結局他の会社からのヘッドハンティングを受け、ライバル会社に転職され、活躍しておられるようです。

(2011/05/31)

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