2012年10月(vol.33):パフォーマンスの上がる元気な組織? そのカギは・・・

 

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パフォーマンスの上がる元気な組織? そのカギは・・・

組織・従業員のパフォーマンスを上げたい…。現場の管理職、そして人事ご担当者は、常に考えておられるのではないでしょうか? では、パフォーマンスの変容を促す重要なものとは、何なのでしょうか?

ミシガン大学ビジネス・スクールのジェーン・E・ダットン教授は、『職場における質の高い結びつき』が職場を活性化し、パフォーマンスを上げるために必須であるという研究結果を出しています。

『質の高い結びつき』がある職場とは、互いに対し前向きな関心を示し、必要な配慮ができ、信頼感を持って仕事をすることができる状態を指します。さらに、そういう職場では、皆が積極的に仕事に関わり、イキイキとした感覚を持ち、思考に広がりが持て、積極的に行動し、新しいことにも果敢にチャレンジする、という行動が見られるということです。素晴らしいですね! 心理学的にも、人間は、明るい気分で何かに取り組んだり、好奇心を持って行動しているときには、多くを学び、吸収することができ、思考や行動にも広がりがみられるということがわかっています。

一方、『質の低い結びつき』においては、他者に対して不信感や無視・軽視が蔓延します。このような人間関係が組織を侵食すると、率先して物事をすすめようという意欲や学ぼうという意欲を奪い、結果的に仕事へのモチベーションや愛社精神(会社へのコミットメント)を失っていきます。このような環境では、人は不公平感や疑惑などネガティブな感情に多くの時間を支配され、心身共に疲弊してしまいます。さらに悪いことに、このような精神的ダメージは伝染してしまうのです。停滞感の漂う職場や退職者が続出する職場をご覧になった経験のある方は、実感できるのではないでしょうか?

では、職場の活力を取り戻し、職場で働く人々を活性化するにはどうしたらいいのでしょうか? ダットン教授の研究の一つによると、管理監督者の「日々の言動」がその状況を大きく左右するそうです。「毎日飲みに行かなきゃならない?」、いいえ、そんなことは全くご無用! 日々のちょっとした関わり方を見直すだけで、結果が大きく変わります。「ちょっとした関わり」、それは、「目の前にいる従業員に興味関心を向ける」こと、これだけです。せっかく報告・連絡・相談しても、感情的な対応をされたり、形式的な返答しか得られなかったり、無関心な態度をとられたら、相手はどう感じるでしょう。そもそも、「対話」することは難しそうですね。さらには、「この人と関係を築くのはもう無理だ」「助けてもらえない」。こんな思いを抱かせてしまうのではないでしょうか。また、場当たり的なことを言ったり、適当な口約束をしてしまうことは、信頼感を失わせるきっかけとなります。これは『質の高い結びつき』とは相反する関係かつ致命的です。『7つの習慣(邦題)』の著者であるスティーブン・R・コヴィー氏は、人間関係において築かれた信頼のレベルを「信頼残高」という比喩表現を使って語っています。「礼儀正しい行動、親切、正直、約束を守るなどの行動を通して信頼残高をつくっていけば、そこに貯えができる。・・・些細な違いを犯しても、信頼のレベルや精神的な貯えがそれを補ってくれ…言葉ひとつで気を悪くするようなこともないだろう。信頼残高が高ければ、コミュニケーションは簡単で、効果的で、即時に出来るものである」と言っています。一方で、信頼の残高不足が起きると、硬直的なコミュニケーションしかできなくなり、緊張が高まったり、自分の立場を守ることだけに集中したりという状況を招くとも言っています。だからこそ、日常的な関係の中で、継続的に信頼残高の預け入れをする必要があるのです。

人を大切にする組織・・・それこそが継続してパフォーマンスをあげられる組織の必須条件なのです。当たり前のことのようですが、信頼感に根差した人間関係は、一朝一夕にはできません。会社の業績が思うように上がらない時、組織が大変な時こそ、目の前の相手に前向きな関心を持ち、関わることが大切です。保身に走ったり、相手を責めることに終始したり、適当な世間話に逃げることは、信頼感を失うことに他なりません。日頃からのちょっとした関わりを最大限に活かして、『質の高い結びつき』のある組織を目指していきたいですね。

(2012/10/18)

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