2013年2月(vol.37):『息してますか』(深呼吸でリラックス)

 

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『息してますか』(深呼吸でリラックス)

「1分間に何回、息していますか」

まず、ご自分が1分間に何回呼吸しているか、試しに数えてみましょう。

腕時計の針を見て、または携帯のアラームを1分間セットして時間を測ります。普段どおりに「吸って吐いて」を繰り返して……、さて何回呼吸していましたか?

「呼吸と私たちのこころ」

一般的に私たちは、1分間に12回~16回(諸説ありますが)の呼吸をしていると言われています。これを1日の回数にすると約2万回。生まれてから今日まで、一体、何回呼吸をしてきたことになるのでしょうか。考えると気が遠くなりますね。
いうまでもなく、呼吸は私たちの生死を左右する大切な機能のひとつで、体の多くの器官と連動しています。肺の動きとは切っても切れないものです。また、快・不快といった感情や、自律神経とも密接に関係しています。私たちが大きなストレスと対峙したとき、呼吸に乱れが生じるのはこのためです。

普段、私たちは「今吸って、さあ吐いて」と意識しながら呼吸をしていません。そのため、意識しなくても息ができている、と思いがちです。しかし、自分の呼吸をちょっと観察してみると、緊張した時や何かに夢中になっている時(大事な書類にハンコを押す時など)、意識的に息を止めていることに気づくはずです。このように呼吸は無意識に行われると同時に、意識的にも制御できる運動といえます。

また、不安な時は息が浅く速くなっています。たとえば、乗りたい電車が事故か何かで一向に来ない、この電車に乗らないとアポに間に合わない……。こんな時、だんだん動悸がしてきて、知らず知らずのうちに浅い呼吸を繰り返しています。

私たちの精神状態と呼吸の深い関係は、「息」という言葉を使った慣用句をいくつか思い起こしてみればわかります。

たとえば、びっくりした時や怖い時には『息をのみ』ます。息をのみこんでしまって、しばらく吐くのを忘れるほどです。緊張しすぎた時は『息がつまる』。緊張のあまり呼吸が十分にできなくなったり、息苦しくなったりします。『息をつめる』『息を殺す』と言えば、呼吸を抑えて、あるいは呼吸の音をさせないでじっとしている様子が浮かびます。そして『息を抜く』と言えば、ほっと一休みです。

こうした例でもわかるように、私たちは呼吸を整えることでストレスに対処しようとします。これは、呼吸が自律神経を整えるはたらきをもっていることによります。

自律神経には「交感神経」と「副交感神経」がありますが、両者のはたらきは拮抗しています。「交感神経」は心臓の働きを促進したり、胃腸の働きを抑制したり、血管を収縮させたりといった作用があります。交感神経が優位な状態にあるときには、人はより活動的で、戦闘モードだと言えます。

一方「副交感神経」が優位なときは、交感神経とは逆のはたらきが起こります。心臓に対しては抑制的に、胃腸に対しては促進的な作用をし、末梢の血流を増加させます。血流がよくなる結果、筋肉が弛緩し、体はリラックス状態になります。つまり副交感神経優位の時、人はリラックスモードなのです。

呼吸はこの二つの自律神経のバランスを整えてくれます。そして、呼吸をする時に吐く時間が長ければ長いほど、副交感神経優位の状態に切り換わりやすいといわれます。緊張したときに深呼吸すると心が落ち着くのは、副交感神経が優位になりリラックスできるからです。

ストレスがかかって交感神経優位になっている時、ゆっくり長い呼吸をすることで副交感神経優位に自律神経が切り換わり、ストレスからフリーになりやすい、というわけです。

「リラックスするための呼吸法」

では最後に、私がセルフケア研修でよくご紹介するリラックス呼吸法=丹田(たんでん)呼吸法をご紹介しましょう。

  1. いすに浅めにこしかけ、背筋を伸ばす。
  2. おへその下約3センチに意識を集中させる。そこに野球ボールくらいの玉(丹田)があるようなイメージ。
  3. 両手を合わせて丹田にのせる。
  4. 肩をかるくゆするなどして、身体の力を抜く(フーッとため息をつくときのように)。
  5. 軽く目を閉じる。
  6. 息を全部吐く
  7. 息を吸う(鼻から丹田まで届かすイメージで)【目安:3秒】
  8. 息を止める(丹田にとどめるように)【同上:2秒】
  9. 息を吐く(口からゆっくりと吐ききる)【同上:7秒】

7.~9.を自分のペースで2~3回繰り返します。
コツは、吸った時間の倍の時間をかけてゆっくり吐くということ。実際に試してみていただくと、2~3回繰り返したあとで、頭の中が真っ白になったような、すっきりした感覚が得られると思います。だまされたと思ってやってみて下さい。

寝る前にすると、深く眠ることができますし、仕事の合間でも気がついた時にすると、気持ちが切り換わります。私は仕事上で、電車の運転士さんのお話を聴く機会が多いのですが、この呼吸法をお伝えすると、「日常生活に取り入れて助かっています」というフィードバックをいただいたりします。

皆さんも普段から是非、長めの呼吸を取り入れてみてはいかがでしょうか。

(2013/2/19)

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