2013年4月(vol.39):世代間ギャップと若手社員の育成について

 

他のコラムを見る

イマドキの若者は弱い?

「最近の若い人はストレスに弱くないですか?少しきつく叱っただけで、1時間もトイレから出てこなくなっちゃうんです。育成どころじゃありませんよ」

管理職の方とお話をしている時など、類似する質問を受けることがあります。皆様はどう思われますか?

そんな時、私は、

「私や皆さんの世代と比べたら、今の若い方々(20~30歳代前半くらい)は、ある種のストレスに対しては弱い方が多いだろうと思います。ただし、私たちの基準では、です」と答えます。

年長者と若年世代では、ストレスと感じるものに違いがあります。また、年長者である私たちは若年層よりも経験が多い分、ストレス耐性が高いことはある意味当たり前と言えるでしょう。ストレス耐性とは、ストレスに対して向かい立つ力や柔軟に受け流す力を指します。初めての場面に対した時よりも複数回その場面に身を置くほうが緊張しないことをお考えいただければわかりやすいと思います。また、時代背景や文化によってもその違いを説明することができます。

若者にとってのケータイ

仮に私が1963年生まれの50歳だとします。対して、『イマドキの若者』をここでは23~33歳(1980年~1990年生まれ)として考えてみましょう。年齢差があれば、生活スタイルはずいぶん異なります。いくつか例を挙げてみましょう。

みなさんが携帯電話を使い始めたのはいつですか?総務省のデータによれば、1993年の携帯電話普及率は3.2%で、私は30歳です。その後爆発的に普及し、1998年には57.7%と5割を超えます。そして2003年には94.4%(PHSを含む)と9割を超えます。

仮に私が1998年(57.7%)、35歳で携帯電話を使い始めたとします。大卒入社としては13年のキャリアがあります。管理職になっているかもしれません。先の『イマドキの若者』は同時期8歳~18歳、携帯電話を使い始めたのは学生時代ということになるでしょう。その世代が社会に出る頃には「ケータイ」はあって当たり前の必需品。「ケータイ依存」と言われるほど切り離せないものになっています。

携帯電話の普及に伴い、メールが定着し、意思表示の方法も変わりました。以前は対面での会話が出来ない時には電話で用件を伝えるのが主でしたが、メールで済ませることができるようになりました。メールが用件伝達の多くを占めると会話の頻度は下がり、結果会話の苦手な人が増えても不思議はありません。

世代背景とストレス

話を若手育成に戻します。

「どうしてわからないままにする!?ちゃんと質問しろ!」

先輩社員は声を荒げて叱ります。叱られた若手は『話しかけて質問をする』という経験が少なく、苦手意識があるかもしれません。叱るだけではスキルは育ちません。叱り方によってはパワハラだと訴えられてしまう可能性もあります。またはそれが原因でメンタル不調になって休職してしまうかもしれません。まずは人と会話を通して意思疎通するという経験・練習を積んでもらう必要があるのではないでしょうか。

会社の教育で話をする練習までさせるのかと思われるでしょうか。経験が少なく、不足が認められるならば必要ではないでしょうか。最近では、若手社員教育の研修として、コミュニケーション研修のご依頼をいただく機会も増えています。

今回は若手の特徴があれこれ言われる中で、一部の傾向を切り取ってお話をしてきました。言うまでもなく、若手にも会話が上手な方は沢山います。また、彼らの基準で考えれば先輩世代がストレスに強いとは言えないかもしれません。

例えば先輩世代のあなたは、スマートフォンの機能を使いこなせていますか?または、ネット上にあふれる無限の情報を正しく取捨選択して有効活用している自信はありますか?それぞれの世代背景によってストレスに強い部分と弱い部分があり、先輩世代にも苦手はあるはずです。「これだからイマドキの若者は」と否定的に捉えても事態は好転しません。大切なのはお互いが世代間の違いを理解し、歩み寄ることではないかと思います。

(2013/4/12)

ページのトップへ

関連サービス
  • EAP
    従業員のこころとからだの健康をトータルで支え、よりよい職場づくりをサポートします
  • MOSIMO
    メンタルヘルス不調者が長期休職したときの企業のコストを試算するこができるツールです
ページ上部へ戻る