2013年8月(vol.43):喫煙対策してますか?

 

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喫煙対策してますか?

未だ十分とはいえない受動喫煙対策

2003年、世界保健総会において、“たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約”が採択されて以来、タバコ対策が世界的な課題として謳われました。日本でも「受動喫煙防止対策(健康増進法・第25条)」が講じられ、「学校・病院・百貨店・飲食店等、多くの人が利用する施設では、受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない」ことになりました。私のような非喫煙者にとって、駅構内や新幹線内・デパートなど、普段の生活の中からタバコの煙が遠ざかることは嬉しいかぎりでしたが、困ったのは喫煙者です。

吸う場所を奪われた愛煙家は、喫煙OKの飲食店や限られたエリアが主な喫煙場所となり、「電車に乗る前の駆け込み1本」を吸っている姿を毎朝目にするようになりました。愛煙家のオアシスとなる飲食店では分煙対策がなされているものの、その実態は、“席を分けているだけ・仕切りを置いているだけ“という店も未だ多く、非喫煙者は煙にまみれ、受動喫煙防止の意味を全くなしていないということがよくあります。

喫煙でPM2.5がまき散らされる

2013年の年明け早々、中国の大気汚染「PM2.5」が注目を浴びました。耳慣れないPM2.5に新たな脅威を感じた方も多いのではないかと思います。PM2.5とは、大気中に浮遊している2.5μm(1μm=1mmの1000分の1)以下の非常に小さな粒子のことで、物の燃焼などで発生します。髪の太さの30分の1程度のため、肺の奥深くまで到達し、気管支喘息・肺がん・心臓病・脳卒中などを引き起こすといわれています。

勘が鋭い方はすでにお気づきかと思いますが、タバコの煙はまさに物の燃焼の産物ですから、典型的なPM2.5。

環境省が規定している“人の健康を保護する上で維持されることが望ましい基準”は、1日平均35μg/立方m以下に対し、禁煙ではない飲食店や喫煙室内のPM2.5濃度は、数百μg/立方mに及ぶこともあるといわれています。PM2.5問題はずっと以前から身近にあり、今もなお続いているのです。このことを、どれだけの方がご存知でしょうか。

企業に喫煙対策が必要な理由

喫煙者の中には、「吸う権利がある」と主張される方もいらっしゃると思いますが、PM2.5をまき散らしているとしたら、自分だけの問題ではなく、周囲の人を巻き込んで健康を脅かしているということを認識していただく必要があります。例えば、換気扇の下で喫煙しても、受動喫煙を完全には防ぐことができませんし、吐く息の中にもタバコ煙が含まれています。 
企業への影響としては、職場の受動喫煙により、年間約3600人が死亡しているという試算が出ており(※1)、喫煙者1人に対して年間約31万円の労働時間のロスがあるという試算もあります(※2)。社内の喫煙者が減れば、タバコ起因の病気から人材を失うリスクが低減し、勤務中の喫煙による労働時間の損失を解消し、生産性の向上につながるなど、会社として大きな利益を得ることになります。このことから、会社は健康被害から社員を守る視点と、生産性向上の視点から、実状に合った独自の喫煙対策を打ち出す必要があるといえます。例えば、タバコの健康被害を正しく教育したり(知識の普及・情報提供)、禁煙外来や禁煙補助薬の費用助成をしたり(禁煙支援)、タバコの自動販売機を撤去・敷地内禁煙にしたりする(環境整備)など、できそうなところから取り組んではいかがでしょうか。

また、トップダウンで全館禁煙・分煙の徹底などの対策で、社内の喫煙率が下がったというケースも実際にある話です。受動喫煙対策を含む健康施策は、「トップが動けば全てが動く!」のトップダウンで講じることが非常に有効な手段です。

(※1)独立行政法人国立がん研究センター・「喫煙と健康」WHO指定研究協力センター:受動喫煙による死亡数の推計について(解説)

(※2)ファイザー株式会社:「職場の喫煙対策 レッツトライ!社内禁煙WEB版」

(2013/08/16)

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