2018年11月(vol.106):歯周病の本当の怖さ、知っていますか?

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がんや心疾患・脳血管疾患・糖尿病・高血圧症などの生活習慣病で亡くなる方は、日本人の死亡数割合で約6割を占めています。働く皆さまの健康管理として、生活習慣病の予防はとても大切ですね。では、「歯周病」に関してはどうでしょうか。お口の健康が全身の健康に深く関係することをご存知ですか?

30~50歳代の8割が歯周病

歯周病は、歯と歯ぐき(歯肉)のすきま(歯周ポケット)から細菌が侵入し歯肉に炎症を引き起こし、さらに歯を支える骨を溶かしてグラグラにしてしまいます。痛みがないことが多く、気づかないうちに進行しますが、歯肉からの出血などを繰り返した後、歯が自然に抜けてしまうほどの重症になることもあります。歯を失う原因の第1位は、なんと虫歯ではなく歯周病で、全体の約4割を占めているのです。

厚生労働省が3年ごとに実施している「患者調査」の平成26年調査によると、「歯肉炎及び歯周疾患」の総患者数(継続的な治療を受けていると推測される患者数)は、331万5,000人で、前回の調査より65万人以上増加しています。 有病率では、20歳代で約7割、30~50歳代は約8割、60歳代では約9割にも及びます。自分にはまだまだ関係ないと思っていたら……大間違いです。

細菌の塊 歯垢が原因

歯周病の直接の原因は、歯垢(プラーク)に含まれる細菌。歯みがきが十分でないと、歯と歯肉の間に細菌がたまり、プラークを形成します。プラークの中には、1mgあたり1億個もの細菌が生息しており、その毒素によって歯肉が腫れたり、歯の表面がはがれてきて、歯と歯肉の間にすきま(歯周ポケット)ができます。

また、プラークの中の細菌などは、唾液に含まれるカルシウムやリン酸と結合して、歯石という軽石のような硬い物質として歯の表面に付着します。細菌はこの歯石を足がかりにして、さらに歯周ポケットの奥深くへと繁殖していくのです。

歯周病は全身に影響する

歯周病は単なる口腔内の感染症ではなく、さまざまな病気や全身の状態に影響を及ぼすことが明らかになっています。歯周ポケットから体内に侵入した細菌や細菌由来の病原因子に加え、炎症に関係する物質(サイトカイン)が歯肉の血管を通じて血液に流れ込むことなどが原因となります。歯周病は決して「歯の周辺」にとどまる病気ではないのです。

<歯周病により発症または悪化する可能性のある病気>
・糖尿病(歯周病は糖尿病の合併症ともいわれ、相互に悪影響を及ぼします)
・狭心症
・心筋梗塞
・脳梗塞
・感染性心内膜炎
・慢性閉塞性肺疾患(COPD)
・誤嚥性肺炎
・関節リウマチ
・低体重児出産・早産 等

ほかにも、「喫煙」は歯周病の危険因子とされ、最近では、歯周病菌による認知機能の低下の可能性も示唆されています。まさに、全身の健康に影響を及ぼす病気といえそうです。

歯周病対策が健康につながる!

放っておくと知らない間に、生活習慣病をはじめ、全身に影響を及ぼすこわーい歯周病! たかが歯周病、と思っていたら、命に関わる病気を招くことも。全身の健康を保ち、いつまでも元気に働くためには、食事・運動・睡眠・禁煙等とともに、適切な歯周病対策が重要となります。

歯周病対策というと、まず思い浮かぶのは歯磨きです。実際に毎日歯を磨いている方の割合は95.3%、毎日2回以上歯を磨く方の割合は77.0%という調査結果があります(平成28年歯科疾患実態調査結果)。ただし、歯磨きをしている方は多いものの、歯周病患者は年々増えているのが現実です。歯間ケアがまだの方は通常の歯磨きに加え、歯と歯の隙間をデンタルフロスや歯間ブラシを使ってケアすることも習慣にしてみては。また、定期的な歯科受診で歯石を取ってもらうことも大切です。

<こんな症状があったら歯科医へ!>
・朝起きたときに、口の中がネバネバする
・歯みがきのときに出血する
・硬いものが噛みにくい
・口臭が気になる
・歯肉がときどき腫れる
・歯肉が下がって、歯と歯の間にすきまができてきた
・歯がグラグラする
<こんな方も要注意!!>
・45歳以上の方
・喫煙者
・妊娠中
・糖尿病にかかっている方
・歯みがきの仕方が悪い方

私の場合、歯磨きのほかにデンタルフロスを使ってケアしていますが、それでも半年に1回の「歯科クリーニング」で、磨き残しを指摘されることがあります。口でいうのは簡単ですが、「なかなか難しい」というのが実感です。それでも意識することが大切。日々の健康管理に歯周病対策をお忘れなく! 歯周病予防は口臭予防にもつながります。いい息で一石二鳥ですね!!

(2018/11/19)

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