お知らせ

「新型コロナウイルスに関連した感染症」情報
― WHOの緊急事態宣言について ―

2020年1月31日版

WHO(世界保健機関)の緊急事態宣言

スイスのジュネーブに本部を置くWHO(世界保健機関)は1月30日に、各国の専門家や保健当局担当者による緊急委員会を開催し、新型コロナウイルスに関連した感染拡大について、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC: Public Health Emergency of International Concern)」に該当すると宣言しました。日本、アメリカ、ドイツ、ベトナムでヒト-ヒト感染が確認されるなど、中国以外の地域にも感染が広がり始め、感染拡大防止には国際的な協力態勢が必要であると判断されました。最大の懸念事項として、脆弱な医療制度の国に感染が拡大することがあげられました。

WHOの宣言で変わること・・・

WHO加盟国(2019年4月現在194か国・地域と2準加盟地域)は、WHOが主導する新型コロナウイルスの封じ込めや拡散防止対策等に最大限協力することが求められます。

本日の用語解説

■国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC: Public Health Emergency of International Concern)

1 PHEICとは、WHOが定める国際保健規則(IHR)における次のような事態をいう。
(1)疾病の国際的拡大により、他国に公衆の保健上の危険をもたらすと認められる事態
(2)緊急に国際的対策の調整が必要な事態
2 これまでにPHEICが宣言された事例
・2009年4月 豚インフルエンザA(H1N1)(新型インフルエンザ)
・2014年5月 野生型ポリオウイルスの国際的な拡大
・2014年8月 エボラ出血熱の西アフリカでの感染拡大
・2016年2月 ジカ熱のブラジルなど中南米での感染拡大
・2019年7月 エボラ出血熱のコンゴ民主共和国での感染状況

■国際保健規則(IHR:International Health Regulations)

WHO(世界保健機関)憲章第21条に基づく国際規則のこと。国際交通に与える影響を最小限に抑えつつ、疾病の国際的伝播を最大限防止することを目的としています。従来、黄熱、コレラ、ペストの3疾患が対象でしたが、SARSや鳥インフルエンザ等の新興・再興感染症による健康危機への対応、WHOと各国との協力強化、テロリズムへの対策強化を図るために2005年に大規模な改正がありました。主な改正点は、原因を問わず国際的な公衆衛生上の脅威となりうる全ての事象(PHEIC)へと対象の拡大、WHOによる勧告、PHEICを検知してから24時間以内の報告義務などです。

監修:寺下 謙三(寺下医学事務所 代表)

参考

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